Pilot Air Line
PAL017便
神様がくれたでっかいチョコ



98/2/13 改訂版




少し早いバレンタイン




バレンタインには少し早すぎる2月11日、
神様がまたまた新作をリリースした。
例によってベータ版ではあるが、
バージョンアップのたびに新機能を搭載して登場する
J-OS Pro 2.0のβ3バージョンの登場。



今回の目玉はずばり日本語大型フォント!

β1における
インライン変換+日本語ローカライザー+インストール診断。
β2における
インライン変換ウィンドウ内のスクロールボタン+スピードアップ。

これまでの展開からすると、ずいぶん意外な展開だ。
少し前にPalm Pilot MLの中で神様は


「P.S. もうすぐPro2.0第四の目玉を
リリースできそうです。
ニヤリ:-)」



と書いていたが、たぶんコレのことなんだろうな。

で、実際にはこんな感じになる。



これまでのJ-OSシリーズの文字、
つまり9ポイントelisaフォントは
「文字」というよりも、
「文字」を認識できる最低ラインの「記号」だった。
だから、ようく見ると文字の省略なんかは当たり前だった。

ところが、今回の12ポイント新大型フォントは
明らかに「文字」である。
読みやすくなったというよりも、
文字としての体裁をようやく整えた。
基本的には明朝系の文字で、
古いマックユーザにはおなじみの
リュウミンライト書体を彷彿とさせるデザインだ。
そして何よりもelisaに比べると遥かに美しい。
またサイズ的にもパッと見た感じでは、
9ポイント文字の2倍弱の大きさに見える。
フォントの完成度としては
数年前のワープロ専用機の解像度にほぼ追いついている。

ただ、このフォントの登場には賛否両論るだろう。
それは、以下のポイントにおける意見の相違から生まれる。


1)フォントサイズの悲喜劇

12ポイントという文字サイズは
15〜17インチのパソコンモニタ画面にはほどよいサイズでも、
Pilotの狭すぎる画面では逆に大きすぎる。
この12ポイント文字とPilot画面のサイズ的比率は、
通常の個室便所の中に入ったジャイアント馬場を思い出させる。
つまり「お尻拭くのも大変そうだな」という印象。

具体的には、elisaならMemoPad一行分に
「マックで機長マックで機長マックで機」
全角で17文字書き込めたものが、
新大型フォントだと「マックで機長マックで機長」
全角12文字しか書けない。

縦位置的にも、elisaでは日本語変換ウィンドウなしで
11行表示されていた行数が、
わずか8行と3行も減ってしまう。この差はデカイ。
視認性と美しさをとるか、とにかく表示字数の多さをとるのかは、
MemoPadの使い方と視力次第で大きく意見の分かれるところだろう。




2)限りあるメモリの使い方

さすがにフォントだけに、
メモリサイズはそこそこある。
162KB。
このサイズはでかい。
しかも、新大型フォントが使えるのは
「MemoPad」と「Mail」、
それに「Address」の一行目(普通は氏名がここに来る)だけである。
この新大型フォントのために
162KBを犠牲に出来る人間はまだまだ限られているだろう。
SuperPilotを買うべきか買わざるべきか・・・、
ユーザのハムレット状態は続きそうだ。



なお、今回のβ3のおもな変更点は下記の通り:


・日本語ラージフォントに対応

 ・クラッシュするバグを修正

・PalmScape実行時に画面にゴミが残るバグを修正



クラッシュ問題(機長は経験がないので未確認)以外は、
やはり新大型フォントが目玉だ。
とにかく、この新大型フォントをどう評価するかで
β3の評価は決まる。

機長は今のところ、2MB版PalmPilotなので
ハアハア青息吐息ながらも新大型フォントをインストールできている。
これがどれくらい役に立つものなのかは今後また報告する。



ハルマゲドン、近づく

以前「筋曜日に神様が動いた!」の中で機長は、
迫り来る神様vs3Com社の最終戦争について触れた。
つまり、3Com社がこの春に発売を予定している
日本市場向け新型Palm Pilotに搭載される
日本語OSはどうなるのか?という話だ。



昨夏頃には、
J-OSとは別の純正日本語ローカライズを示唆していた
3Com社の論調が、
このところ「J-OSの採用については検討中」と、
明らかにトーンダウンしはじめた。
そして、そんな時期の神様からのJ-OS Pro2.0ベータ版攻勢を考えると、
最終戦争の結末はどうやら見え始めてきたようにも思う。

正直、機長は神様と3Com社の全面戦争なんかちっとも望んでいない。

なぜならそれは、機長にとって
「神様vs比較的よくやってくれている後妻」のケンカを意味するわけで
あんまり楽しいものじゃない。

それに、その争いによって技術革新が進むならともかく、
現在の日本のPalm Pilot状況を考えると、
この最終戦争が激化することは、
これから購入を考えている新規ユーザに
無用な混乱を与えるだけでしかないと機長は思う。

極端な話、日本語Palm Pilotに2種類の日本語OSが登場すると、
それぞれにガイドブックが必要となるし、
ユーザサポートも複雑化するし、
サードパーティ製ソフトの互換性も心配になる・・・と、
実はあんまり嬉しくない副産物ばかりが産まれてしまう。
日本のPalm Pilotユーザが爆発的に増加してからならともかく、
現在のように市場が思春期以前の状態でそんな混乱が起きたら、
ヘビーユーザはともかく新規ユーザから敬遠されるだけだ。
OSは唯一無二のザウルスに勝てるわけがない。

当然、その前提条件として唯一無二の日本語OSは
高水準を保っていなければならない。
でも、その点では今年に入ってからの
J-OS Proのバージョンアップは全体として
よりよい方向に向かっているように思う。


3Com社の決断

さて、ここで3Com社がどう出るかが問題だ。
機長は思うに、
3Com社は今でも独自の日本語OS作りは進めているのではないかと思う。
実際問題、ハードの販売だけして核となる日本語OSは
他社(IKESHOP)が販売するというのは、
企業として決して健全な戦略とは言えないだろう。
企業としてはその独占、
または独占の可能性を追求するのが健全な姿のはずだ。

だが、今年に入ってからの
J-OS Pro2.0のベータ版開発のスピードは凄まじく、
よっぽどのアドバンテージがないかぎり、
同社開発の新日本語OSがこれに圧勝することは出来ない。
中途半端な日本語OSをハードに標準搭載しても誰も使ってくれない。
だったら、思い切ってJ-OS Proを
3Com社の正式な日本語OSとして採用してしまったほうが
Palm Pilotの日本市場発展のためにはいいことなんじゃないかと、
3Com社も思ったのでないかと考えている。
なんたって3Com社の3つの「Com」のひとつは
「Compatibility」つまり「互換性」だから。


楽観的な未来像

もちろん我々がJ-OS Pro2.0のβ版に触れる以前に、
3Com社は神様の開発状況は知り抜いているはずだ。
3Com社のアプリケーションガイド
(IKESHOPなんかに置いてあるパンフレット)に、
神様の未発表ソフトが掲載されていることからも、
同社と神様の間の密な連携は読み取れる。
だとしたら、3Com社は昨夏よりも進んだ大人の選択を
したのではないかと想像できる。
つまり

(1)
J-OS Proを3Comの正式な日本語OSとして採用し、
同社が発売する新型Palm Pilotに標準搭載する。

またはもう一歩進んで

(2)
J-OS Proの権利自体を3Com社がIKESHOPから買収して、
新型Palm Pilotに標準搭載する、

などの選択肢だ。
マックユーザにはちょっぴり
Microsoftを連想させる選択肢ではあるが、
Palm Pilotの将来的な選択としては決して悪いものではない
と機長は考える。


機長からの提案、再び

機長としては、さらに提案したいことがある。
前にも書いたことだが、権利自体を買収するかどうかは別にしても、
ハードにJ-OS Pro2.0を標準搭載するなら、
それをSRAMに焼き付けたバージョンも、
出来たら用意して欲しい!

日本語Palm Pilot市場の発展のためにこれは急務だ。
とくに初心者がいちいち購入時やハードリセットのたびに
デスクトップマシンからJ-OS Pro2.0をインストールするのは
かなり厄介な作業だから。

(そのためには、SuperPilotの技術を
3Com社が独自に開発するか、
あるいは他社から借りる必要があるが、
その意義はでかいはずだ。
ただし、その場合、OS自体のバージョンアップを
どうするのか?という問題は残る。
でも、これもSuperPilotの焼き込み技術との連携を
うまくすれば不可能な問題ではないはずだと機長は考えている)


あと、J-OS Proについてはインストーラの問題がある。
ここまでJ-OS Pro2.0のインストールオプションが増えた以上、
同OSが神様〜IKESHOPの専有物として生きていくか、
3Com社との共有財産になるかは別にして、
Windows版とMac版のインストーラくらいは
用意してもいいのではないか?と思う。
ヘビーユーザにとってはなんでもないことを
新規ユーザにとっていかに簡単な作業にしてあげるかが、
日本語Palm Pilot市場の発展にとっての急務だから。

・・・と、ここまで好き勝手なことを書いてきたが、
すべて機長の想像と願望の話なので、
この先、日本語OS問題がどうなるのかはまったくわからない。
もしかしたら、カタカナGraffiti対応の3Com社の新OSが
登場しても何ら不思議はないのだから。
(でももし、そんなの作っても初期トラブルは凄そうだな)

そんなことを書きながら、
全てを知っている(かもしれない)神様が
例によって「ニヤリ」としていると思うと、ちょっと悔しい。


3ComJapanは
赤いリンゴを食べるか?




ところで、相変わらず全国の管制官(読者)たちから
様々な報告を貰っているが、今日は、こんなのを紹介する。

三田空港の鳥居管制官からの報告


MAC×Pilotユーザーのみんなに
報告したい事があります。

2/4〜6まで幕張メッセで行われた
NET&COMに行って来ました。
主にネットワーク機器の展示会なのですが
もちろんその中には3COM社もあります。
そしてPilotのブースもありました。

展示されていたのは
・本体
・携帯電話と接続するための
モデムもありました(参考出展)
 春以降の発売になるかもと言っていました

それから、Pilotブースの
3COM社員を捕まえて話しました。
日本におけるMAC母艦の
Pilotユーザーの多いことを!
そしてPilotDESKTOPも
早く2.0にしてくれと言いました
そうしたら
「3COMジャパンは本社(アメリカ)よりも
MACユーザーを重視している!!」
とおっしゃりました!
 
なんとDESKTOPも開発中なのか(未確認)
OS8と相性が悪いとも言っていました

MAC母艦のPilotユーザーの
熱い思いを語りました!
そしてこのことは必ず上に上げるとも
約束して下さいました!!

いつになるかはわからないけど
今度の3COMジャパンには
期待せずにはいられないです




鳥居管制官、
機長だけでなく、すべてのMac×Pilotユーザが
勇気づけられる報告をありがとう。
機長としては鳥居管制官が接触した3Com社員の言葉を信じたい。

そして、OS8と相性の悪いMac版のデスクトップというのが、
現行のバージョン1.0ではなく、
現在開発中の新バージョンであることをひたすら望みたい。



もしも3Com社員でこのページを読んでる人がいたら、
是非是非お願いしたい!




最後に、「Pilotの歴史その2」は相変わらず

撮影快調

・・・らしい。
たぶん、きっと。

謎のメールに関しても、
現在調査中です。
その過程で
ちょっとだけわかったことを報告すると、














じゃ。

1998年2月11日





筋曜日に神様が動いた!

前編その1

前編その2

後編

関連ページ

b2について

b3について

 




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