PAL110便
信濃富士

〜SH-Keysについて・その2〜



信濃富士INDEX





 
さて、今回は肝心の
キーボードについてだ!


 
■キーボード

さて、話は唐突だが2月にさか上る。

この夢のキーボード「SH-Keys」に
初めて機長が出会ったのは
先日2月23日のWPJ発表会の席上だった。
富士通のブースで触らせてもらった。
とってもいい感じだ。

とにかく縦3×横6個の計18個のキーだけで
日本語(もちろん英語も!)が入力できてしまう。
普通に考えると無理な話だが、
しなの富士通の研究者は
ひとつのキーに1〜2のキーを割り当てて、
SH-Keysに内蔵した辞書が
入力された単語を独自に分析して
該当する単語を探し当てるという
コロンブスの味付け卵みたいな発明によって
この無理な話を可能にしている。



これがその18個のキーだ。

ご覧の通り、「A」と「E」だけは個室暮らしだが
それ以外のアルファベットは二人部屋暮らしだ。

だからアルファベットに関しては
わずか14個のキーを覚えればいい訳だ。
確かにこれだけなら片手だけで入力が出来る。

残る4つのキーはいわゆる特殊キーという奴で、
「Ar」は変換キー(Arrangeの略?)で、
「UpC」はバックスペース&キャンセル(なんの略?)
「Tc」は入力モードの変換キー(これもなんの略だか?)
「Sp」はスペースキー(これはSpaceキーの略だろう!)だ。


とは言いつつ、これだけキーの少ないキーボードだから
上で紹介した特殊キーも使い方は上に書いた1つだけではなく、
1つのキーでいくつかの使い方を持っている。
それについてはまた後述することになる・・・予定。


で、当然のようにせっかく18個のキーにまとめたんだから、
と当然のように取扱説明書では
タッチタイピングを勧めている。
つまり、指一本でタラタラ入力しないで
片手5本の指を使ってカタカタと入力した方が
いいよってこと!
そのためにこのSH-Keysには右手用と左手用の
2タイプが用意されている。
(自分の利き腕に合わせてどっちかを選んで買おう!)

機長は右利きなので、以下、
右手用で説明する。

さあ、タッチタイピングの基本は
両手だろうが右手だろうが
ホームポジション(最初に指を置く場所)が基本!
という訳で、これがホームポジションだ。



左から、人さし指〜中指〜薬指〜小指。
当然親指は使わない。

で、各指の守備範囲はこちら!



人さし指〜小指は上図のような
キーを自分の守備範囲としてフォローする。
いわゆる普通のキーボードと同じく
人さし指と小指の守備範囲が大きい。
そして小指に関しては「W」「J」「Q」「B」の
4つのキーを除けば、
もっぱら特殊キーの操作に活躍する。
とくに「Ar」「Upc」の活躍度はデカイ。

さて、これらのキーボードに並んでいる文字について。

まず注目されるのは、ほとんどのアルファベットが
2文字づつ並んでいるのに、
頻出母音である「A」と「E」だけは
単独でキーを独占していること。
どちらも人さし指操作なので、
しばしばタッチすることになる。
他の母音「I」と「O」も
「A」や「E」と同じくホームポジションのラインに
並んでいる。
「U」だけ少しづれているが、
このあたり、
日本語の特製を考え抜かれているように思う。

同時にホームポジションのラインには
「H」と「S」という頻出子音も並んでいる。
これも非常に計算された感じだ。

それでは、各キーボードのアルファベット配置の
覚え方を紹介しよう。
(いずれも機長のオリジナルである)

【人さし指の担当】


パンツ(PN)で歩く(A)ウド鈴木(UD)



GTOの反町(GT)「え!(E)糞踏(XF)んじゃった?!」


【中指の担当】


RC(CR)聞いて、ハイ(HI)な山田(YM)さん。


※RCとは70〜80年代の伝説的バンド「RCサクセション」のこと

【薬指の担当】


ゾクゾク!(ZK)そんな(SO)バレンタイン(VL)


【小指の担当】


Wジャンプ(WJ)で変わる(変換)、QB(クォーターバック)


・・・と、書いてはみたが、実際にはあんまり役に立たない
(機長自身が実証済み!)

とくにタイピングしてる最中に
「パンツで歩くウド鈴木」とかブツブツ言ってる場合じゃない。

というわけで、このキーの覚え方は、
歩いてる時なんかに、
右手の各指に囁いて守備範囲を覚え込ませてやる時に使おう。
(いや、正直に言うと使ってもあんまり役に立たない)


■キーの役割

ではまず、特殊キーの基本的な使い方から。


Ar
@ 


SH-Keysでもっとも大活躍するキー、
それがこの「Ar」キーだ。

取扱説明書には「変換キー」とだけ書いている。

ではここで、このSH-Keysで
文字を入力する際のもっとも基本的な例題を書いてみよう。

【例】

たとえば、「信濃」を入力しようとして
「shinano」と打つと、
画面には「oiinano」(オイイナノ?)と表示される。


oiinano


ここで「Ar」キーを打って変換すると、
まずは「しなの」と表示される。


しなの


これじゃない。
そこでもう一度「Ar」キーを打つと、
「信濃」と表示される。


信濃


これで正解だ。


ここで登場した変換結果を確定するためには
以下の2つの方法がある。

(1)ここですぐさま「Sp」キーを打って確定する。

(2)次の文字列を打ち込み始める。

このどっちでも確定の意味になる。

では、最初っから整理しよう。

つまり、文字列を入力し終えたら
まずは「Ar」キーを打って変換させる。
正解が出るまで「Ar」キーを打つ。
正解が出たら、「Sp」キーを打つか、
次の文字列を入力し始めれば確定できる。

これがすべての基本になる。

SH-Keysの綴りを忘れることがあっても
「Ar」キーの使い方だけは忘れるな!



UpC
@ 


このキーには、大きく分けて3つの使い道がある。

(1)
文字列の変換前、
つまり「Ar」キーが押される前なら、
入力中の文字列のバックスペースの役割。

つまり、1文字づつ後ろから文字が消えていく。

【例】

「shinano」と打って


shinano


「UpC」キーを打つと、
「o」だけ消えて「shinan」になる。


shinan


続けて3回「UpC」キーを打って
「shi」だけにしてから


shina



shin



shi


「mane」と打てば、
「shimane」(島根)を入力できる。


shimane



(2)
文字列の変換後、
つまり「Ar」キーが押された後なら、
変換中の文字列がキャンセルされて消えてしまう。

つまり、「Ar」キーの前なら1文字消えるだけだが、
「Ar」キーの後だと文字列が全部消える。

【例】

「shinano」と打って


shinano


「Ar」キーを打って
「しなの」を呼びだしてから


しなの


「UpC」キーを打つと、
「しなの」ごと消えてしまう。


 



(3)
文字列の変換とは関係のない状態だった場合、
普通のバックスペースの役割を果たす。
つまり、すでに確定された文字列を
1文字づつ消していく。


【例】

「信濃富士」と確定してから


信濃富士


「UpC」キーを打つと、
「士」だけ消えて「信濃富」が残る。



信濃富




以上が「UpC」キーの基本だが、
実は他にも機能はある。
でも、訳がわかんなくなっても困るので、
今のところ、この3つだけ覚えておけばいい。
これだけ覚えればまずは練習を始められる。

もう一度確認しておこう。

「UpC」キーを使えば、
3つの方法で文字を消すことが出来る。



Sp
@ 


いわゆる「スペースキー」だが、
コイツにも大きく分けて三つの役割がある。

(1)
前述のように、「Ar」キーを使った
変換作業の途中で「Sp」キーを打つと、
変換中の候補が「確定」する。


【例】

変換中に「信濃」が出たところで


信濃


「Sp」キーを打つと、「信濃」で確定する。


信濃



(2)
上の「確定」直後に
もう一度この「Sp」キーを打つと、
半角の空白文字が挿入される。


【例】

「信濃」を確定した後に


信濃


もう一度「Ar」キーを打つと、
「信濃」の直後に「 」(半角の空白文字)が
挿入されて「信濃 」となる。


信濃 ←半角空白



(3)
いわゆる「ー」(長音記号)の役割も果たす。


【例】

「p」「a」「Sp」「m」「u」と打つと、
「pa mu」と表示されて、


pa mu


「Ar」キーで変換すると「パーム」となる。


パーム




Tc
@ 


これは「入力モードの変換キー」だ。
デフォルトのままのキーボードでは
アルファベットしか入力できないが、
このキーを使って、
数字や特殊文字を入力することの出来る
別の入力モードに切り替えることが出来る。

ここで切り替えることの出来る入力モードは
全5モードある。
(ただし、最後の1モードはあまり意味がないので
ほとんど4つのモードと言っても過言ではない)

では、ひとつづつ紹介しよう。



通常モード



もはや説明するまでもない!
SH-Keys最大のウリである、
片手で打ち込める全18個のキーだ。



対応するアルファベットは、キーに書いてある通り!



数字モード(数字・記号1)



通常モード→「Tc」+「Tc」(要するに連打)→数字モード

数字モード→「Tc」+「Tc」(または「Ar」)→通常モード



見ての通りの数字を中心としたキーの入力が可能だ。
え、「,」や「.」まで、いちいちモード切替して入力するのかよ?!
大丈夫、それらは標準キーからでも入力できる。
(これについては後述する)

【例】

「Tc」+「Tc」+「U」+「A」+「P」=


123





記号モード1(記号2)



通常モード→「Tc」+「UpC」→記号モード1

記号モード1→(自動)→通常モード



今度は、いわゆる特殊記号のオンパレードだ。
上の数字キーと大きく違うのは、
いったんここで文字を選ぶと、
そこで自動的に通常モードに戻ってしまうことだ。

なお、「Time Stamp」というのは、
いわゆる日付表示で、

通常「Time Stamp」を打つと下記のように表示される。


99.3.23 19:12:26<-


ところで、「Rsv」って何だろう?

【例】

「Tc」+「Upc」+「U」+「A」+「P」=


?an


【例】

「U」+「Tc」+「Tc」+「A」+「P」=


d@n




記号モード2(記号3)



通常モード→「Tc」+「Sp」→記号モード2

記号モード2→(自動)→通常モード



特殊記号の第2弾!
括弧や数学記号が並んでいる。
使用法は上ののもに似ている。
つまり、入力語はすぐに通常モードに戻ってしまう。

ところで、「Ca」って何?
カルシウム?・・・確かに最近不足気味だが・・・。

【例】

「Tc」+「Sp」+「U」+「A」+「P」=


-an


【例】

「U」+「Tc」+「Sp」+「A」+「P」=


d+n





記号モード3(記号4)



通常モード→「Tc」+「Tc」+「Tc」→記号モード3

記号モード3「Tc」(または「Ar」通常モード



特殊記号の第3弾は矢印のみ!
つまり、文字を打ち込むためじゃなくて、
キューサー(文字の打込や編集のための指定場所)を
移動するための矢印を使うためのモード。
ここは、数字モードと同様に
自動では通常モードに戻らないので要注意!


【例】

たとえば下記のような文章を書いている最中に、
わざと色を変えた(
赤色)が、
キューサーが文章末尾にあったとする。


信濃富士 
パーム航空
|


このキューサーを1コマ左に動かすと、

「Tc」+「Tc」+「Tc」+「E」=


信濃富士 
パーム航
|


キューサーを2コマ左、1コマ上に動かすと、

「Tc」+「Tc」+「Tc」+「E」+「E」+「R」=


信濃富|士 
パーム航空


で、キューサーの場所から編集(や書き込み)を
すえるためには、ここでさらに

「Tc」(または「Ar」)を打ち込んで、
例えば1文字削除する


「Tc」+「Tc」+「Tc」+「E」+「E」+「R」+「Tc」+「Upc」=


信濃|士  
パーム航空





記号モード4(記号5)



通常モード→「Tc」+「Tc」+「UpC」→記号モード4

記号モード4「Tc」(または「Ar」通常モード



特殊記号の第4弾は、
イマイチその存在理由がわからない矢印の別バージョン!
記号モード3との違いは左右の矢印の方向が
反転していることだけ。
このモードにどんな意味があるのか不明だが、
まあ、機長は記号モード3で事足りるので、
このモードを使うことはないだろう。
ここも記号モード3と同じく
自動では通常モードに戻れない。


【例】

例はいらないでしょ?
記号モード3と同じようなもんだから。

誰かこのモードの意味をご存知の人がいたら教えて。





【左利きの人たちへ】

ところで、ここで紹介したキーボードは
機長の使っている右手用だ。
左手用の場合は、
これらが見事にミラー反転するらしい。

右手用

P N

G T

C R

Z K

W J

UpC

A

E

H I

S O

Ar

Tc

U D

X F

Y M

V L

Q B

Sp



左手用

UpC

W J

Z K

C R

G T

P N

Tc

Ar

S O

H I

E

A

Sp

Q B

V L

Y M

X F

U D

     
詳しくは添付の取扱説明書を参照のこと。



じゃ。




1999年3月27日


つづく

Click the following icon to back to
Palm Air Line Top Page!