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iPAL1781 午後の惨事。
  Date: 2001-10-06 (Sat)

 すでにお気づきの方もいるかもしれないが、昨日、iPAL-NEXTでちょっとしたトラブルが発生した。どんなトラブルかというと、多くの読者の方にはとても不快感を与え、一部の読者の方はラッキーと喜ばれてしまうという不可思議なトラブルだった。
 
 トラブルが発生したのは、「iPAL1774 PocketPCの皮算用。」の中にある「あと、この記事で面白いのは、ふふふPalmでも紹介された例の爆笑ビデオが…」という文章。この文章中の「爆笑ビデオ」という部分には現在、とあるURLへのリンクふふふPalmさんのサイト内にある「ふふふブロードバンド!!」内のコンテンツ「ILove This Company」)が設定されているのだが、この記事を書いた当初は、ここにまったく別のURLがここにリンクされていた。それはCNET記事「『Pocket PC 2002』がいよいよ登場 」内の「開発者たちを激励するバルマーのビデオが広く出回ったおかげで」という文章内にある「ビデオ」という言葉からリンクされていたURLであった。勘の鋭い読者の方ならすでにお気づきかと思うが、ここにはMicrosoft社のCEOであるSteve Ballmerがとある講演で不可思議なダンスを踊りまくっている(あるいは何かをエキサイトしながら訴えているのかもしれない)ビデオ映像のURLがリンクされていた。それを皆さんにも楽しんでもらおうと思って、機長はこのURLをそのまま自分のコラムにリンクした訳だ。
 
 ところが!
 
 10月5日の昼間になって、外出中の機長のメールボックスに読者のあまやどりさんから下記のようなメールが届いた。
 
>「確かにあのバルマーさんはすごかったなぁ〜、激励というよりは、
>吠えてるだけじゃないか?」などと思い出しつつもう一度観たくなったので、
>CNETのページを開いてムービーをダウンロードして再生してみました。
>なんかリンク先がへんだなぁ〜と思いつつ、ひとまず全部ダウンロードして再生
>したところ、すごいえっちなムービーでした。
>それはそれはすごいえっちな。
>何らかの仕業で書き換えられてしまったのでしょうが、機長の記事をたどって
>皆様がエッチな映像を見るのもどうだろう、と思い、ひとまずご報告しておきますね。


 うん?!…と機長は驚いた。「すごいえっちなムービー」って何だ?!まさか、昨夜機長がこっそりと観ていたHなビデオを間違えてリンクしてしまったのか?!…いやいや、誓ってもいいが、少なくとも昨夜はそんなものは観ていない。となると…まさか、同時テロか?!…いや、なぜにテロリストがうちのサイトを襲う?う〜む!
 
 そうこうするうちにも続々と機長のメールボックスにメールが届く。続いてはQuickoffice, JPNASYMさんからのメール!

>「例の爆笑ビデオ」へのリンクなのですが、「本当にこれ?」と
>思われるものがダウンロードされました。(当方MacでMPEG再生の設定を
>していないので、デスクトップにとりあえず保存して、QuickTime Playerにて
>再生しました。)
>無修正のアダル●ムービーだったのです。
>「合間に映る客席」というのがありませんので「おかしいなぁ」と思っておるの
>ですが、いかかでしょうか?
>私の勘違いでしたらお詫びいたします。


 ※●部分は、読者の皆さんの会社のフィルター等を意識して伏字にした。

 今度はかなりズバリ明確な記述がメール内で見つかった。「無修正のアダル●ムービー」だって?!

 これはえらいことになってるぞ!!とにかく、何とかしなければ!…ところが機長はちょうど乗物で移動中だったため、ノートブックで途切れ途切れの接続しか出来ないPHS接続をするしかない状態だった。こんな状態では、上のメールで「すごいえっちなムービー」とか「無修正のアダル●ムービー」とか表現されているものを観て確認することも出来ない。まもなく次の仕事場に到着してしまい、ゆっくりチェックしている暇もないので、なんとか急場をしのぐしかないと、再びネットに接続して、ブラウザからiPAL-NEXTの該当リンクだけを外した。いったいどうなっているのか〜?!
 
 機長の記憶ではCNET記事にあったリンクをそのままコピー&ペーストしただけなのに、そこに「すごいえっちなムービー」や「無修正のアダル●ムービー」が観られる訳はない。じゃあなぜ…?まったく心当たりがない!とにかく該当する画像がわからないだけに余計に不安になった。うちの読者は、すべてが掌極道の組長のような人ではない。うちのサイトには女性読者もいるだろう。そんな罪もない人達に「すごいえっちなムービー」や「無修正のアダル●ムービー」を見せたと思うと…。また、うちのサイトを会社のオフィスなどで観ている人もいるだろう。で、上司に隠れてこっそり観ているところに「すごいえっちなムービー」や「無修正のアダル●ムービー」が映ってしまったとしたら…?!しかも、音声が最大音量で流れたとしたら…?!うん、音声ってどうなっているんだろう?それはわからない。
 
 そうこうするうちに、最初にメールをくれたあまやどりさんから二通目のメールが届いた。
 
たびたび申し訳ございませんが、一応事後報告ということで。

>お騒がせして申し訳ありませんでしたが、
>CNETにも報告したところ修正したとの
>お返事を頂いております。現在は問題ないと思われます。


 ということで、一応事件は一件落着したようだ。冒頭に書いたように、帰宅後すぐに機長は問題のリンク(外出先からはリンクタグのURLの部分を空白にしておいた)に別のリンクを繋いでおいた。これですべては終わった。終わったはずだ。ふぅ。(それにしても、どうしてCNETのリンクが突然変わっちゃったんだろう?…これだけは謎のままだ。なお、CNETの該当リンクは削除されたままになっている。もう問題の映像を見ることは出来ない!)…でも、とにかく、すべては終わったんだ!
 
 ただ、今回のiPAL-NEXTの騒ぎに気づかなかった人の中には、で、問題の「すごいえっちなムービー」や「無修正のアダル●ムービー」ってどんなのだったんだよ?…と、心配な人もいるはずだ。別に「すごいえっちなムービー」や「無修正のアダル●ムービー」だから見たい訳じゃなく、iPAL-NEXTやCNETのことを心配して、iPAL-NEXTやCNETを苦しめた「すごいえっちなムービー」や「無修正のアダル●ムービー」とはいったいどんなものだったんだろう?と気になってしょうがない人もいるだろう?あるいは、こうした異常事件を社会学的に検証するためにも、いちおうその重要証拠はチェックしておくべきでは?と思っている人もいるだろう。あくまで学問的な探求心に基づいて。そんな人たちのためにこっそりと教えておこう。
 
 【注意】取り扱い注意→!(なぜだか、すっげー重い!よっぽどCNETの宣伝が効いたらしい。)
 
 

iPAL1782 謎のCLIEが2台
  Date: 2001-10-06 (Sat)

 まずはPALMSTATIONに出ていたこんな記事から。

■Rollaway grafiti area from Sony? (Picture) (PALMSTATION)

 もっと早く気づいていたら教えてあげたのに…。



 どうやらSONYがGraffitiエリアを取っ払っちゃったように勘違いしたみたい。

 正解はこの辺

 一方、PalmInfoCenterにはこんな記事が…。

■Rumor: What is the Sony Cli T415?(PalmInfocenter)

 最近の定番である「ネットショップが先走って掲載しちゃったってパターン」なのかな?問題のショップはrcs shop。ここに出たのが下記のリストだったそうだ。



 なんだろうね、「SONY CLIE T415」って?「T」ってのが凄い気になる。あと、「B,W」ってのも!…リストを見るかぎり、漏れてくる情報は「PalmOS 4.1搭載」で「スリムなデザイン」で「299.99ドル」だってこと。つまり300ドルだ。

 記事中ではモノクロのハイレゾなんじゃないの?とか、ワイヤレス通信機能が内蔵されてるんじゃないの?とか、いろいろ推測しているが、すべてはあくまで推測。

 う〜ん、さっぱりわからん!

  

iPAL1783 お疲れさま!
  Date: 2001-10-06 (Sat)

■心ない声(With Palm Tonight...)2001.10.05

 切ないな〜。…それはともかく、長い間日本のPalmOS界のために貢献してきてくれたtetsuさん、本当にお疲れさまでした!


iPAL1784 続・いくさじょーず
  Date: 2001-10-06 (Sat)

■Microsoft enthusiast marketing under fire ... again(PDA Buzz)
■Microsoft wooing Palm PDA users Pizza, PocketPC at W Hotel(SF Gate)

 昨年の今頃、ちょうどPalmSourceが開かれていた頃、「431  それでこそMicrosoft!」でも書いたが、まだPalmOSの前で圧倒的に弱い存在でしかなかったPocketPC陣営のMicrosoft社が、PalmOSユーザーの有力なファンをパーティに招いては、豪華なお土産を渡して「買収している」なんて、恐ろしい情報が流れたものだが、今や企業戦線を中心にずいぶんとPalmOSに対抗できるようになった同社は、いまだにPalmOSユーザーの有力者たちを招いていては熱心な勧誘活動を行っているらしい。
 
 あれだけの互換機メーカーにあれだけのマシンを作らせ、結構たくさんの企業担当者に取り入っている同社でも、まだコンシューマ人気が心配なのか…。ただ、昨年の事件と今年のそれが決定的に違うのは、PDA Buzzの記事でも書いているが、今まさにPalm社が熱心なPalmユーザーに対して「Palm」という単語をドメインに使うな、とかなんとか言ってる真っ最中だってことだ。企業ユースにガンガン食い込みながらも個人ユースに対しての戦略もしっかりと忘れないMicrosoft社と、企業ユースに傾斜しようとしつつ、本来は最強だった個人ユース方面に影響の出そうな軋轢を起こしつつあるPalm社。なんだか、やっぱり戦闘経験の差を感じたりする。
 
 ちなみに、古くからPalmOSプラットフォームの先兵として世界的な影響力を持ってきたサイト「Palmguru.com」の主催者・Jim McCarthyは、Palm社からの圧力を受けて、ドメインとサイト名を「PocketAnywhere.com」に変更するとともに、扱う内容をPocketPCデバイスに変更したそうだ。う〜む…。
  
 がんばれ!>Palm社!


iPAL1785 99ドルのデバイス
  Date: 2001-10-07 (Sun)

■Palmデバイスが100ドル以下に(ZDNN)

 米国では、Palm社の入門機「m100」が99ドル(-30ドル)に、同「m105」が149ドル(-50ドル)に、Handspring社のカラーデバイス「Visor Prism」が299ドル(-100ドル)に値下げしたらしい。

 両社の売上げという意味ではかなり苦しい価格競争がまだまだ続いているとも言えるが、もしもそれらを経営努力で補えるなら、両社の本来の理想である「誰もが買えて、誰もが使えるハンドヘルドデバイス」にまた一歩近づいたとも言える。それこそ、コンビニで買えるデバイスへも、あともう少し!(かつての電卓のように…)

 もっとも、米国の景気低迷などによる個人消費の低迷や、その限界を考えると、それぞれの次世代機は着々と次のステージを狙っていないと辛いのは事実だが…。

  

iPAL1786 ニュースの奥深さ。
  Date: 2001-10-07 (Sun)

●追加情報アリ

■破損パイプライン修復が難航=米アラスカ州(時事通信)

  ← Yahoo!News USAより

 いつの間にか、こんな事件が起こっていたらしい。
 
 記事には「米アラスカ州の原油輸送パイプラインの破損個所の修復作業は難航し、原油流出が6日も続いている。現地では作業員が銃弾で開いた穴をふさごうとしているが、高圧がかかった状態で流出した原油から生じた気化ガスが付近に漂い、爆発する恐れがあるため、作業ははかどっていない」と書いてあるのだが、注目すべきは「銃弾で開いた穴」という言葉。これってテロ?
 
 ちなみに、時事通信のiモード版(日曜日午前中の最新のもの)には「パイプラインの石油流出ほぼ止まる=米[10/07 08:57]」というタイトルの記事に「米アラスカ州ノーススローブ油田の原油輸送パイプラインがライフ銃で開けられ、大量の原油が流出した事件で」とか書いてある。さらには、「地元警察は6日、破損部分の暫定的補修により流出がほぼ止まったことを明らかにした。しかし、発生からほぼ3日で約108万リットルが流出し、石油輸送もまだほとんどが止まっているため、今後、供給懸念が強まりそうだ」などとある。
 
 この記事にある「発生からほぼ3日」を信じると、事件は10月3日(米時間)に発生したことになる。ちなみにYahoo! NEWSで検索してみるが、「アラスカ」とか「パイプライン」で検索しても、そんなニュース、どこにも出ていない。一番最初に上げた時事通信の記事がひとつ引っ掛かるだけだ。うん?
 
 その替わりにこんな記事が見つかった。
 
■NY原油、反落(時事通信)2001.10.06
■OPEC、減産に傾斜=米の報復行動前に決定も(時事通信)2001.10.06

 これによると、「原油価格が低水準で推移する中、石油輸出国機構(OPEC)は、今年4回目となる原油追加減産に傾斜している」というのだ。OPECのロドリゲス事務局長は「「報復作戦の開始は生産政策を決定する一つの要因ではあるが、唯一の要因というわけではない」と指摘し、攻撃開始前にも減産を決定する可能性を示唆」しているそうだ。どちらも10月6日配信で前者は10月5日ニューヨーク、後者は10月5日ウィーン発のニュースだ。
 
 うん?もしも10月3日にアラスカのパイプラインにライフルの銃弾が撃ち込まれているとなると、必ず触れられなければならないニュースだと思うが、これらの記事にはそういう影響がまったく見えない。どういうことだろう?
 
 もしかして、アラスカの事件は米国同時テロ絡みのもので、それを戦略的な理由から隠していたのか?という素朴な疑問が湧くのだが、そうとばかりも言っていられないのが、このニュース。
 
■米国同時多発テロの影響でアラスカ油田開発論争が激化(WIRED NEWS)

 これによると、「アラスカ北極圏の油田開発に関する論争が、米国同時多発テロ攻撃をきっかけに激化している」そうで、要するに、もともとアラスカの油田開発について賛成派と反対派で激しい論争を続けていたところに、米国同時テロによる国家安全保障という理由から賛成派が強引に意見を通そうとしていて、そのために議論が激しくなっているということらしい。この論争が、今回の事件にからんでいるとしたら、この国内問題としてのテロを、昨今の世界的テロ事件を絡めたくないという米国の意志がこの情報を対外的に流したくないという方向に導いたと言えるのかもしれない。ま、なんとも言えない。
 
 果して、真相は??
 
 それこそ疑い始めると、「テロ隠し」的な兆候はいくつか見受けられる。
 
■残がいに事故機以外の破片=ロシア(時事通信)2001.10.07
■炭そ菌感染の米男性死亡、肺炭そ発生は25年ぶり(Yomiuri On-Line)2001.10.06
■サウジ東部での爆発、対米テロ攻撃とは無関係のもよう=米政府高官(ロイター)2001.10.7
■乗客が運転手ののど切る バス横転で6人死亡(CNN)
■仏の工場爆発、政府は「事故」と発表もテロのうわさ(Yomiuri On-Line)2001.10.7

 ま、それぞれ理由は違うのかもしれないし、後追い愉快犯だっているだろうし、本当にそうなのかもしれないが、「あれ、これもテロ関係じゃないの?」というニュースがいとも簡単にテロじゃないってことになってる。ちょっと不思議というか…。でも、もしもこれらが米国による対アルカイダを意識した「テロ隠し」作戦だとしたら、それはそれでとても高等な戦術として評価できると思う。

 ニュースもちょっと違う視点から見ると興味深い。

     

【追加情報】

 ところで、記事中で触れた時事通信iモード版の記事「パイプラインの石油流出ほぼ止まる=米[10/07 08:57]が、ずいぶん時間がたってから、「Yahoo! News」に出た。
 
■石油流出ほぼ止まる=パイプラインの銃撃破損で供給懸念も−米アラスカ州(時事通信)2001.10.07 11:01

 これは、iモード版の記事とほぼ同じものだが、新たな情報が付け加わっている。それは、「現場はフェアバンクスから北に約80キロの地点。直径1.2メートルの鉄パイプから、一時は毎分530リットルの勢いで原油が噴き出した。パイプライン運営会社が原油輸送を停止したため大量流出は食い止めることができたが、本格修理にはなお時間がかかる見通し。同パイプラインは米国内の原油生産の17%に相当する日量約100万バレルを輸送している」という文章と、最後の一行となっている「警察はパイプラインを銃撃した37歳の地元男性を逮捕した。男は酔っていたもようだが動機などは分かっていない。」だ。…あれ!いきなり犯人が捕まってる?!しかも犯人は酔っ払い!
 
 ここで謎が一点。どうしてこれまでの記事に犯人のことが書かれていなかったのか?「酔っ払い」ならば当日にも捕まっていたはず。ここから考えられることは2点。酔っ払いがただの「酔っ払い」なのかどうかを調べるのに3日間かかったか?あるいは、犯人が「酔っ払い」になったのは3日目の今日だったのか?
 

iPAL1787 理屈と現実
  Date: 2001-10-07 (Sun)

■無関心が生んだアフガンの悲劇 緒方貞子さん語る(asahi.com)

 インタビュアーである朝日新聞記者の「理屈」をことごとく「甘い考え」といなしていく元国連難民高等弁務官のリアリティが鋭い!

記者:自衛隊の武器使用を緩和する新法は?
緒方:自衛隊が何をするか。空輸だけなら武器を持たなくともいいが、陸上輸送して難民がいっぱいいる地域に行くなら、それは武器を持っていた方がいい。難民も聖人ばかりじゃないですから。生きた人間が集団で動くときには、隊長に判断の権限を与えるのが大切なんじゃないですか?

…など。



iPAL1788 とても残念なこと。
  Date: 2001-10-09 (Tue)

■米英両軍、アフガンへの空爆開始(CNN)2001.10.08

 残念ながら先にしびれを切らしてしまったのは米国の方だった。正直、もうちょっと粘って欲しかった…。


iPAL1789 マジで?
  Date: 2001-10-09 (Tue)

■New Symbian device? (GEEK.com)
■Sanyo shows off Symbian device (PDA Buzz)

 SANYOのPDAはPalmOSじゃなくてSymbianOS?!

 

iPAL1790 祝!新ドメイン
  Date: 2001-10-09 (Tue)

■新ドメイン「clieclub.jp」になりました!(CLIE User Club!)

 祝!&お疲れさま!



iPAL1791 異物混入?
  Date: 2001-10-09 (Tue)

●追加情報アリ

■米ゼロックス有利に? 手書き文字認識巡る米パームとの特許係争で地裁の判決覆る(ITPro)

 うぬ?…それにしても謎なのは、「Palm機に使われている手書き文字認識技術がXerox社が1997年1月21日に取得した特許を侵害している」としたら、1996年4月には発売されていた初代PalmOS機である「PILOT」のGraffitiには、問題の「Unistrokes」なる技術は含まれていなくて、少なくとも2号機である97年4月リリースの「PalmPilot」から混入したということになる。

■Xerox vs. Palm - Part III Jason Lives (PDA Buzz)

 タイトルだけ訳すと「ぜロックス社 vs パーム社〜Palm IIIのジェイソンは生きている!」てな感じか?初耳だが、この「Palm III」ってのが怪しいのかもしれない。ただ、私の記憶では「PalmPilot」から「Palm III」の間でGraffitiが劇的に変わったなんてこともなかったような気もするが…。さて、どうなんだろ?

 ところで、Palm社からのリリースはこちら。

■U.S. Court of Appeals Remands Xerox Infringement Claims to Lower Court For Further Proceedings(Palm, Inc.)

 

【追加情報】

■[WSJ] 手書き認識をめぐるXerox対Palmの特許訴訟,一審に差し戻し(ZDNN)

 この記事を読むと、「Xeroxは裁判の中で,Palmの手書き文字認識システムであるGraffitiは,Xeroxの科学者が発明した一筆書き認識ソフト「Unistroke」を土台にしたものだ」と書いてある。

 うん?…実は私は、「GEOS 2.0」時代の他社製品にプリインストールされていたJeff Hawkins制作の「Graffiti」を触ったこともあるが、現在のGraffitiとほぼ同じストロークでアルファベットを数字を入力することが出来た。だとしたら、いったいいつ異物は混入したのか?…謎は深まるばかりだ。

 

iPAL1792 厳しい冬を乗り越えよう!
  Date: 2001-10-09 (Tue)

■ハンドヘルド市場制圧に向け争うパームとマイクロソフト(ZDNet)

 米国テロ事件の影響で「テレビ電話」のセールスが活況を呈しているという噂を聞いたりもしたものだが、確かに「お得意さまである出張の多いビジネスマンを失」っている米国ハンドヘルド事情の方は確かに厳しそうだ。

 また、この記事によると、「マイクロソフトのCEO、スティーブ・バルマー氏が(中略)叫んだ「デベロッパー,デベロッパー,デベロッパー」に関してなら,パームは既に勝っている。パーム OSを使っているデベロッパーは14万人にも上るという。10月4日のPocket PC 2002の発表の席で,バルマー氏はPocket PCのデベロッパーは3800人だと話していた」という。後者の数字は初耳だ。それはつらそうだ。

 そして、「2000年末に,マイクロソフトは法人市場でのシェアを10.7%から30%へ伸ばすと予測されていたが,「そんなことにはならなかった」という。IDCはハンドヘルド市場全体でのマイクロソフトのシェアを,「20〜25%」から「15〜20%」に下方修正した」IDC社のアナリスト、ケビン・バーデン)という。

 しかし、これだけは言える。PocketPC陣営の誇大妄想狂的な数字発表のシステムには閉口することもあるが、やっぱりハンドヘルド市場自体が伸びてくれないことにはお話にもならない。この逆風状態の中で豪華なラインナップを豪華な値段で大量リリースした同陣営にもそこそこは頑張ってもらわないとな〜とは思う。


iPAL1793 異物の年代測定?
  Date: 2001-10-09 (Tue)

 

 Palm社のGraffitiに関してXerox社が訴えてるぞ、という「iPAL1791 異物混入?」の続編。
 
 前回コラムで書いた機長の素朴な疑問に対していくつかメールが届いた。
 
 まずは、Araiguma.comあらいぐまさんからのメール。
 
>Unistrokeの特許は機長さんがリンクされてる記事にもあるとおり、

>>なおXerox社が問題としている特許のタイトルは,
>>「Unistrokes for computerized interpretation of handwriting」。
>>米国特許番号は「5,596,656」。
>>申請日は1995年10月26日。16のクレームから成る。


>ということですから、1995年10月以前にGraffitiを発明したという
>証拠があるか、16あるうちの1つのクレ?でもひっかからないという
>証拠がなければだめになります。
>ということで別にガラフィティがPalmIIIで変質したということはないですよ。

>前にパームが勝訴したのはガラフィティに2ストロークの文字があるとか
>(Xみたいに)の理由がかいてあった記憶がありますが、
>争点がかわったのかもしれませんね。


 …ということだ。また、PalmNINJA7号さんさんからは、こんなメールも届いている。

>特許出願自体がココで調べると
>October 26, 1995となっていますんで初号機から同技術が使われて
>いるという主張が可能になります。

>つまり、出願は1995年10月26日なのでそれ以降に同技術が使用されていれば
>訴える事は可能なのです。(勿論、その出願が権利として取得できなければ
>問題はありませんが、1997年1月21日に取得していますので権利の主張を
>出願時点から出来るのです)

>尚、この特許はこのURLで閲覧可能です。


 …ふむふむ。つまり、取得日ではなく取得が成立すると出願日までがその範囲になっちゃうぞって訳ね。そうなると、1995年10月以降に使い始めたようだと、「それはパクリだ!いかん!いかん!」ということになっちゃう訳だ?う〜ん、とてもオベンキョーになる。
 
 さて、これは私的なトークだったので、その信憑性はあくまで???だが、かつてPalm Computing社(現在のPalm社の前身)の関係者と雑談をしていて、たまたまGraffitiの話になった時、Graffiti(と同等のもの)はPalmOS初号機である「PILOT」(Palm Computing社:1996年4月発売)の前に、同社がそのソフトウェア部分を担当した「Zoomer」(Tandy社、Casio社、他)でも搭載していたそうだ。そして、その時のものは「入力専用のエリアを設けたこと」と同時に「数字専用の入力エリア」をつけたこと以外、現在のGraffitiとほぼ同じものだった、という話を聞いたことがある。つまり、話の辻褄から言うと、前回の記事で書いた「GEOS 2.0」搭載のマシン(ちなみにこれはhewlett-packard社「OmniGO 100」だった!)に載っていたGraffitiと同じものってことになる。だとすると、「Zoomer」のリリースは1993年10月まで遡ることが出来る。これならXerox社の出願なんかよりもずっと早い時期に、今の「一筆書きGraffiti」をPalm Computing社は製品化していたことになるはずなのだが、どうだろう?さすがに機長もZoomerまでは触ったことないから、その保証までは出来ない。(ついでに、Zoomerに使われたGraffitiと同等のものは、それ以前に、やっぱりJeff Hawkinsが責任者となって製作していたGRiD Systems社の「GRiD Pad」においても採用されていたという資料があったりもする。このマシンのデビューとなると、発表は1989年まで遡ることが出来る。ただし、ここまで来ると、関係者のコメントを貰ったこともないし、現物なんか当然観たこともないので、マジでもう、どうにもこうにも確認のしようさえないんだけどね…)
 
 ま、素人がアアダコウダ言うより、司法当局の調査を信じて、そっちに任せるのが賢明だろう。
 

iPAL1794 N750C-N700C=6000円
  Date: 2001-10-09 (Tue)

■PEG-N700C Palm OS4.1アップグレードサービスについてのお知らせ(SONY)

 …このお値段が、〆て6000円だとか。まずまずってところじゃないだろうか?でも、この手のサービス(現物を預ける)の際にはいつも思うことだけど、アップグレード作業の期間中の代替機がないとつらいよね、PalmOSデバイスというマシンの性格上!


iPAL1795 BBSヘッドライン01/10/09
  Date: 2001-10-09 (Tue)



■m125 投稿者:Magi  投稿日:10月 6日(土)22時08分58秒
■アメリカの特許関係 投稿者:猫みかん  投稿日:10月 9日(火)21時17分18秒

 …ぎえ!「アメリカの特許法は『発明した日時が、日記など公的に認められる記録によって証明されるならば、さかのぼって有効』」という可能性がある?…それは知らなかった。もちろん、だからって「iPAL1793 異物の年代測定?」でも詳しく書いたように、Graffitiがパクリ技術とは思わないけど…。

 あ、そう言えば、遅くなったけど、猫みかんさんのサイト「雑」開設、おめでとう!



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iPAL1796 確かにZDNetの書き方は…
  Date: 2001-10-10 (Wed)

 

 「iPAL1791 異物混入?」「iPAL1793 異物の年代測定?」で紹介している、Palm社のGraffitiに関してXerox社が訴えてるぞ、というお話のまたまた続編。
 
 読者のおぐさんから、なかなか興味深いメールを貰った。ちょっと長いけど、そのまま転載。
 
>特許(及び訴訟の話)になっているので、役に立たないかも
>知れませんが、わかっていることだけメイル差し上げます。

>(1)問題のX社の特許について
> USPTO(アメリカ特許・商標局:アメリカの特許庁)のサイトで公開されている
> 当該X社の特許ですが、確かに1995年の10月26日に出願され、1997年の1月21日に
> 登録になっております。
> が、This is a continuation of application Ser. No. 08/132,401,
> filed Oct. 6, 1993 now abandoned. という部分から、この特許は
> 1993年の10月6日に出願(file)された特許の継続出願(continuation)である
> ことがわかります。

> 詳しい話は面倒なのでかいつまむと、アメリカの特許制度の場合、

> 出願→審査→拒絶(特許庁から特許にならんよという通知)

> がなされた場合、このように「継続」という手続きで、再チャレンジする
> ことになっていて、もう一度

> (形式的な)出願→審査→登録(もしくはまた拒絶)

> という形態をとります。

>なので、この特許は、そもそも1993年10月6日に最初に出願されたと
>考えられます。
>なお、猫みかんさんもかかれているとおり、アメリカは「先発明主義」ですので、
>なんらかの形で「発明」されていることが証明されれば、出願の日付(この場合
>1993年10月6日)には拘束されません。
>#日本など、アメリカ以外の国は「先願主義」で、特許庁に出願を行った日が
>#いろいろな基準の起算日となります。

>なので、Palm社の技術と比較するには1993年から考える必要があります。

>(2)訴訟について
>普通特許訴訟は

>権利 ←→ 技術

>の比較であるので、今回の場合、X社の特許(権利)とPalm社の技術との比較を
>行い、特許(権利:クレームと呼ばれている部分)の言葉がPalm社の技術を
>表現していた場合「(特許)侵害」となります。
>なので、Palm社が技術を開発したときにX社の技術を参考にしたとか土台にした
>というのは全然問題ではなく、並列に(独自に)開発が進んでいても特許を取得
>した者が勝ち!というシステムです。

>でも、腑に落ちないのは、ZDNETの

>『Xeroxは裁判の中で,Palmの手書き文字認識システムで
> あるGraffitiは,Xeroxの科学者が発明した一筆書き認識ソ
>フト「Unistroke」を土台にしたものだ,と主張している。』

>この部分で、もしX社がかような主張をしているのだとすると、特許訴訟という
>問題ではなく、機密情報の漏洩とかトレードシークレットという問題になると
>思うのです。ニュースサイトの表現ですので、正確な訴訟内容を示している
>わけではないと思いますが、このあたりはきちんと書いて欲しいです。
>もしくは訴訟の内容を細かく見るしかないですが。

>このX社の特許、読んでみましたが上手にクレームが書いてあり、とても広い
>クレームになっているように感じました。Palm陣営にやっかいなことに
>ならなければ良いのですが・・X社最近業績悪くて、特許収入で設けようと
>思っているのかしら!?


 …ふむふむ。要するに、(1)Xerox社の出願は「1993年10月6日」かもしれない訳ね。だとすると前回機長が書いた「Zoomer」の発表(1993年10月)タイミングでも微妙なところだな〜!「GRiD Pad」(1989年)ならセーフだけど。(2)あとは、どっちが先に作ったかじゃなく、どっちが先に出願したか?になると、もはや手に負えないな〜!
 

iPAL1797 BBSヘッドライン01/10/10
  Date: 2001-10-10 (Wed)



■re:アメリカの特許関係 投稿者:七式  投稿日:10月10日(水)00時46分13秒
■アメリカの独善 投稿者:makio  投稿日:10月10日(水)00時52分37秒
■Re: アメリカの特許関係 投稿者:fita  投稿日:10月10日(水)07時37分39秒

 先日、猫みかんさんからお知らせいただいたアメリカの「発明した日時が、日記など公的に認められる記録によって証明されるならば、さかのぼって有効」についてのフォローを複数の方からいただいた。難しそうね、特許って。
 


【注意】上のiPAL-BBSのリンクを開いたのに該当記事が見つからない!…という場合は、下の方にある「次のページ」ボタンをクリックだ!

※ところで、現在、iPAL-BBSでは、諸事情により、書き込みをしてもすぐに掲示板には反映されない設定になってる。今回の書き込みで複数の方にご迷惑をおかけしたようで申し訳ない。これは別に「サブマリン特許」みたいな事情じゃなく、最近、「すっごい画像を公開してま〜す・」とか「モーニ●グ娘。の秘密画像」とかってタイトルの書き込みが続発しているための非常措置なので、ご協力願いたい!

iPAL1798 Neoと125ではVが有効らしい。
  Date: 2001-10-10 (Wed)

■Visor NeoとPalm m125を入手しました。どちらも問題なくJ-OS Vが動作しているようでほっとしました(Simple-Palm)2001.10.09

 …だそうだ。感謝!>山田さん&J-OS

■Visor Neo(英語版)レビュー(Simple-Palm)

 …確か、えりえりさんも書いてたと思うけど、Neoの赤ってキレイだね。おまけにクレードルの透き通り具合もすっごくキレイそう。ゼリーみたい。拡大写真を見てさらに感動!)


iPAL1799 memories of that day
  Date: 2001-10-10 (Wed)

■「ウェブサイトはテロ攻撃にどう反応したか」をアーカイブ化(WIRED NEWS)

 昨日あたりのえんすぅ〜ぱぁむ!で見つけた記事だが、ここからリンクの辿れる下記のページが印象的だった。これから、こーゆーウェブ上のリソースの保護サイトってのは増えていくんだろうな。

■Screenshots of Online News Sites, September 11(8th Interactive Publishing 2001)

 同じ頃、With Palm Tonight,,,には、これと同じような趣旨の「新聞」の一面版が出ていた。

■Covering the Attack Front Page Galleries(Poyter.org)

  

iPAL1800 グッドデザイン賞
  Date: 2001-10-10 (Wed)



 パームコンピューティング社からのリリースによると、同社の製品「m105」と「m505」がグッドデザイン賞(商品デザイン部門)を受賞したそうだ。

※あ、ウェブの方にもリリースが出た。

■Palm(R) m105、m505が2001年度グッドデザイン賞(商品デザイン部門)を受賞(パーム・コンピューテイング)

 あと、こんなのも!

■Palm(R) m500シリーズに「Documents To Go 4日本語版」を標準バンドル開始〜Windows版に加え、Macintosh版もバンドル決定。さらに、標準バンドル開始を記念し、先着10,000名様に16MB ・SDカードを無料進呈。 (パーム・コンピューテイング)

 …Mac版もバンドルされるみたい。バンドル開始日は10月19日から、らしい。


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