PAL052-A便
COOLに行こう!






神様の掌(てのひら)





前回の「無限地獄に堕ちたら?」の中で、
神様がその著書
「Pilotナビゲーションブック」の中で書いている


「機能拡張をオフにしてソフトリセット:
上ボタンを押しながらソフトをソフトリセットする」



この一節について機長は、
岩間先生の解説を聞いてから
神様の説明はちょっと違うのでは?
と疑問を呈してから、


というわけで、そろそろ神様の出番かもしれない。
どうなんでしょう、この問題?
神様の言う「機能拡張」とは?
なんか神学論争みたいだな・・・。



と書いた。(ちょっと挑発的に!)


そしたら、さっそく神様がおでましになられた。
(直接メールをいただきました)
お忙しいところ、すみません。



以下が、神様からの解答です。


こんにちは、山田です。
呼ばれたのででてきました。:-)
以下、全て公開していただいて構いません。

up button+shoft(私はCool Resetと呼んでいます)に関しては
岩間さんの説明で完璧です。
付け加えることはありません。
私がFAQで
「機能拡張をオフにして...」と書いたのは
パソコンユーザーのわかりやすさを考慮しての物です。

機長さんもおわかりだと思いますが、
この動作を正確に説明するのは非常に難しいですし、
ユーザーにとって大切なのは
「ソフトリセットでは回復しない場合でも、
これを使えば回復する可能性がある」
という
ことですから、あの説明で十分だと思っていました。

しかし、

ソフトリセットでもだめでも、
この「Cool Reset」で大丈夫という場合は
岩間さんがおっしゃっているように
データベースがおかしくなっている場合に加えて
追加したアプリケーション自体に
問題がある場合があります。
このときはCoolResetをして立ち上げたあと、
問題のあるアプリケーションを削除すれば
元の安定した状態に戻ります。
このときはあえてHard Reset、
再インストールをする必要はありません。

どのアプリケーションがおかしいかを
見極めるにはひとつづつ
削除して行くしかありませんけどね:-)

 ということで、
このあたりのことをユーザーに知らせるには
十分な記述ではなかったと思います。
とはいえ、どういえばいいかというと
やっぱりいいものが思い浮かびません。
とりあえずMacで言うShift+再起動、
WindowsでいうSafe Modeのようなものというのが
一番わかりやすいのではないでしょうか。
その上で起動に成功したら何をするべきか
(つまり、あやしそうなソフトを削除して
ソフトリセットをする。無事立ち上がればOK)

説明してあげればいいと思います。

こんなもんでどうすか?:-) 



十分でございます!

相変わらず、完璧な解答である。
機長は、前回の記事でわざと
挑発的に書いてみたのだが、無駄な努力だった。

まるで、孫悟空が大暴れしたつもりが、
結局、お釈迦様の掌の上だった、みたいな気分だ。

ところで、お釈迦様の掌って、英訳すると
「Shaka's Palm」なんだけど、ま、いいかそれは。



ただ、機長のようなMacintoshユーザだと、
「機能拡張をオフにしてソフトリセット」はそのまま、
「Hackを無効にしてのソフトリセット」って
解釈してしまうのも事実な訳で。
(もちろん神様は、そんなことお見通しの上で
「最大公約数のわかりやすさ!」を追及した上で、
とくにあの文章は初心者がトラブった時の緊急処置を
書いた章だったから、ややこしいことをすっとばして、
「まずはやてみなさい」ってつもりの、
「機能拡張をオフにしてソフトリセット」って言葉だったと思う。
これぞまさに、「釈迦の方便」!)


でも、神様が書いている「Cool Reset」ってのも
悪くないような気もするんだが、どうだろう?

確かに、パッと聞いただけじゃ意味不明だけど、
「Soft」〜「Cool」〜「Hard」って三段活用もそんなに悪くない。
なんとなく、「優しく」怒ってみて、
次に「冷たく」怒ってみて、
最後に「きつめに」怒ってみてって感じで、
雰囲気的には掴めるような。
それに、意味的にも、
すべてのアプリケーションの初期化を
キャンセルするって感じが、
映画「ウエストサイドストーリー」のジェット団
(わからない人はレンタルビデオ屋へ)のヘッドが
手下たちに「Coolになれ!」って言ってシーンを連想させて、
悪くないような気がするのだが・・・。



ま、このあたりは専門用語の分野にも絡むので、
機長はこれ以上口出ししないが、
少なくとも機長は前回提案した
「初期化無効リセット」という名称の提案は引っ込める。

確かに「超ビギナー」でこれを聞いてわかる人間はいないだろうし、
これならまだしも「機能拡張をオフにしてのソフトリセット」の方が、
イメージ的に理解するには適当だろう。

でも、「Cool Reset」って言葉、
個人的にとても気に入ってしまったので、
今後は個人的にこれを使っていこうかな?と思う。


さらに、神様は「無限地獄」からの脱出方法のひとつについて、
完璧な解答を示してくれている。
無限地獄に陥ったがCool Resetで復活できた場合には、
ハードリセットの必要はない!
問題アプリだけを削除すればいい!
それがわからない時はひとつづつ削除してみなさい、と。

非常にわかりやすい。

神様、お忙しいところ、大変ありがとうございました!



 
梅雨前のホラー






さて、神様からのメールを紹介したところで、
やっぱり神様絡みの情報を紹介しよう。

実は機長は、これまで誰にも喋ったことがなかったが、
Palm IIIに乗り換えてからある怪奇現象を体験するようになっていた。
それはあまりにも不条理な体験だった。

Datebk3ユーザである機長は、同ソフト作者が推奨する通り、
ずっとデフラグソフト(機長の場合は、Pilot Info Manager)を
使っていたのだが、Palm IIIになってから
こいつの調子がおかしかった。

例えば、このPilot Info Mangerを開いてみると、
「4% Memory Fragmentation」という表示が出ている。
あらら!えらくたまっちゃったぞ!と思った機長は
「DeFrag」ボタンをタップする。
Palm Pilot時代ならこの結果、
「1% Memory Fragmentation」とかになって、
ようしデフラグ収まった!とホッと一息つくところなのだが、
Palm IIIになってからは、このボタンをタップすると、
とんでもない数値が表示されるようになった。

例えば、たった今、それをやってみよう。

Palm III内でこのPilot Info Mangerを開いてみると、
「16% Memory Fragmentation」という表示が出ている。
16%!かなり多いぞ!
で、「DeFrag」ボタンをタップする。
その結果、表示される数値はなんと
「27372% Memory Fragmentation」
なんじゃ、そりゃ!
発展途上国のインフレでもここまでの数値にはいかない!



どうなってるんだ?

で、機長は思っていた。
そうか!Pilot Info Mangerって、
まだPalm IIIには対応してないんだ!
そのうちアップデート版が出るだろう。
そう思って、ずっと待っていた。
・・・ところが待てど暮せどアップデート版が出ない。

なんでだろう???

そう思っていたら、昨日のPilot-MLにこんな投稿があった。


(ある質問に答えて)
Palm OS3.0ではフラグメントが起きないので、
Defraggerは必要ありません。
Palm OS2.0までは64KByte単位になっていた
Storage Memoryがひとつにまとまったのです。



差出人は神様
さらに次のメールではこう書いてあった。


基本的にユーザーには関係ないので
声高には宣伝されていませんが、
(Palm OS 3.0の特徴として)
非常に大きなポイントです。
これによって無駄なメモリーのコピーなどが減って
動作速度も向上しているようです。
 また、メモリーも有効に利用できるはずです。
メモリーは空いているのに
インストールできないと言う状態は
ほとんど起きないでしょう。

# そのかわりメモリー管理のための
オーバーヘッドが少し増えていますね。



・・・どうやら機長のPalm III内のPilot Info Mangerが出した
デフラグ後の異常な数値の原因はこれらしい。
Palm IIIにはデフラグソフトはいらなかったんだ!
確かに、Palm IIIになってから、
それまでしばしば機長を苦しめていた
Datebookデータベース絡みのHotSyncトラブルはほぼ絶滅していた。

ね、Palm III(正確にはPalm OS 3.0)っていいでしょ?
・・・って、機長は今知ったばかりなんだが。

機長はさっそくPalm IIIから
Pilot Info Mangerを削除した。

※この問題については「palmfan.com.」の廣瀬さんも書いていた。
こんな素敵な機能、なんでもっと派手に宣伝しないんだろう?
って、やっぱり初心者にはわかりづらいから、かな?




 
走り書き戦争






・・・と、機長が勝手に読んでいるのは、
ほぼ時を同じくして誕生した、
利用目的の似た2つのソフト
「Pocket Note」「Hand Memo」だ。

※この両ソフトについては
「春の新入生たち」を参照のこと。

それぞれソフトとしてのアイデンティティは違ったが、
たった今、Palm/Pilotワールドで
もっとも熱いジャンルのひとつである
「走り書き部門」の両雄として並び立っている。

ずっとデモ版だけだった「Pocket Note」が
5月9日には製品版としてIKESHOPの店頭に並び、
5月13日には目次機能を追加した「Hand Memo」の
バージョン0.7がリリースされた。

そんな「Hand Memo」の作者である漆畑さんからメールが届いた。

先日このソフトを紹介した「春の新入生たち」の中で、
機長は下記のように書いた。


これは機長の独断だが、
漢字文化を持つ日本人にとって
仕事現場でのスピーディな速記使用を考えると、
「手書き入力/走り書き」というソフトは
なくてはならないソフトのひとつだと言える。

(アメリカ人はどうだろう?)



これに対する漆畑さんのコメント。


HandMemoの異国での評判はすこぶる上々です。
反応としては、異国の方の方が多いですね。
HandWrite も内外問わず好評でしたが、
異国の方には、表紙の漢字が格好良く思えるらしく、
HandMemo にも採用しました。(^^;
これを、書くと「また南蛮かぶれか」と
侮蔑のコメントを頂戴することが多いのですが



機長の予想に反して、漢字の国の人たちよりも
異国の人たちの方がリアクションが大きいらしい。

ということは、アルファベットの人たちも、
スピード面でGraffiti入力の限界を感じているのだろうか?
もっとも、異国の人たちの中には
いわゆる英語=アルファベット以外の文字を
使っている人たちもいるんだろうが・・・。
(ドイツ語とかフランス語だと、
ほとんどGraffitiの改良型の使い方で自国語を
入力できるんだろうか?
ロシア語とかになるとかなり大変そうだが・・・。
この辺のことをご存知の方がいたら、是非お教え願いたい。
もっともロシアでPalm/Pilotが
売られているかどうかも機長は知らない。)


ところで、漆畑さんのことを「また南蛮かぶれか」と
指摘している人へ機長から一言。
かつて日本国内で外国語がプリントされたTシャツを
着て歩いている人間のことを
「外国かぶれ」と呼んでいた時代があったが、
漆畑さんの場合、逆に外国人に
日本語がプリントされたTシャツを
着せているようなものだから、
「外国かぶれ」とか「南蛮かぶれ」と呼ぶよりも
「日本かぶれさせ」???と呼んだ方が正確ではないだろうか?
「日本かぶれさせ」って言葉もよくわからないが。



なお、今回のバージョンアップ版についてのコメントも貰った。


HandMemo をバージョンアップしました。
今まで、一番要望の多かった
「目次」を追加しました。

清書ページですが、
当初から構想はあったのですが、
グラフィックがスクロールしないバージョンでは、
いらないかな?と思いました。
しかし、スクロールさせてみると、
やはり欲しい機能です。
ただ、J-OS の変換ダイアログとの兼ね合いを考えると、
あのデザインになってしまいます。
そして、とある方から PocketNote と
似ているという指摘を受けました。
確かに似ていますね。
でも、機長さんご指摘の通り、
元々のソフトの思想が違うので
このままにしてあります。



・・・ということだそうだ。

「ソフトの思想」っていい言葉だと思う。
なんか「道具」の中に「文化」が見える瞬間とでもいうか・・・
言ってて自分でもよくわからないが。
機長は「文化」って言葉が好きらしい。

そんなこんなで、ますます盛り上がりそうな、
「Pocket Note」と「HandMemo」による
(ペイントソフトではない)走り書きソフトの進化を
これからも見守り続けたいと思う。



 
I's Palm Icons for Windows?





ところで、壁寛(かべひろし)でおなじみ
Infoweb空港のsanjoh管制官からこんなメールを貰った。


以前ホームページで、ちょっとだけ
”マック以外にもウィンドウズで利用できる
アイコン集を公開するかも知れない”と
有ったような気がします。
私は以前もメールを差し上げたとおり、
非常に、アイコン集を待ちこがれております。
よろしくご高配をお願いする次第です。
悲しきウィンドウズ使い
(以前はOS/2使いだったのがパイロットを
使うためだけにウィンドウズに
流れ着いてしまいました。)より。



実は、今年度初頭より、
機長は自らの野望のために、
こっそりと自作Macintoshアイコン集である
「I's Icons」のうちPalm/Pilot関連の作品群を
Windows化しようと、こっそりSoftWindows
(Macintosh上でWindows95をエミュレートするソフト)を使って、
しこしこ実験を続けていた。



ところが、なかなかうまくいかなかった。
だもんで、そんな中、
このsanjoh管制官からメールを貰った時も、
正直言ってどうリアクションしていいかわからない状態だった。

それ以降も実はしこしこと実験を続けていたのだが、
なんともうまくいかない。
もうダメかも、と諦めていたこの春、
突然、外国人のWin×Palmユーザの方から
「あなたのPilot関連のアイコンをWindows化させて欲しい」
という申し出が届いた。

で、試作品を送ってもらったところ、
非常によく出来ていたので、
お願いします!ということになったのだが、
お互いネイティブランゲージ以外の言語で
メール交換しているせいや、
その人が仕事的に忙しい方であることもあって、
5月15日限在、まだ公開されていない。

でも、ちょっと前に「頑張ってるよ」的なメールを貰ったので
まもなくだと思う。もうちょっと待って欲しい。
機長も楽しみに待っている。
ただ、言葉の壁の問題もあるので、
果たしてどんな形での公開になるのかは、
機長自身にもわからない。
開けてびっくり玉手箱ってところだ。
これが誕生すると、パーム航空初の海外支店が
誕生することになるかもしれない。



じゃ。







1998年5月15日




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