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このSH-Keys、
その超小型のサイズ&片手入力という革新性から、
かなりの注目を集めているキーボードだが、
ただ一点、大きな問題があった。
SH-Keys+純正ドライバ
それは、純正ドライバの遅すぎる速度だった。
SH-Keysはわずか14個のキーで
本来は26個あるアルファベット(A〜Z)を入力する
(つまり、キーにアルファベットが1〜2個づつ割り当てられている)
という斬新な入力方式をとっているため、
内蔵コンピュータがいちいち入力されたキーから
正しい単語を類推してくれるのだが、
これが場合によってはやたらと遅くなってしまう。
Palm
IIIではちょっと実用に耐えないし、
Palm
IIIx以降でもかなりのストレスをユーザに要求する。
なお、SH-Keysの開発元であるしなの富士通では、
スピードアップを目的とした新ドライバを作っているそうだが、
それまでの間は、このSH-Keys、
普及するにはハードルが高すぎる。
SH-Keys+Com-JIM2
このままではいかん!
せっかくの革新性が無駄になってしまう。
そう思って、最初に動いたのが神様だった。
昨夏のPalmware&Goodzコンテストに出品した
片手入力ソフトの「Com-JIM」を
SH-Keysにも対応させた「Com-JIM2」をリリースして、
買ったはいいけど使いづらい!と途方にくれていた
SH-Keysユーザを見事に救済した。
このCom-JIM2は、Palm/WPJ画面に、
いつもキーボードの割当文字を表示することで、
コンピュータに無駄な計算をさせず、
高速入力を実現させている。
さらには、独自のタイプ入力を覚えるストレスを
最小限にするという目的で、
日本人にはおなじみの50音入力のスタイルを採用しているので、
マスターするための労力が非常に少なくてすむ。
(詳しい解説は同Palmware付属のHTML書類が詳しいので、
そちらを参照!まあ、一度実際に使ってみないと、
その便利さは実感できないと思うが・・・)
とにかく、SH-Keys+Com-JIM2の組み合わせ。
これはとっても魅力的だ!
これを使えばSH-Keysは夢の未知数キーボードから、
現実的な実用キーボードに早変わりする。
機長も早速とびついた。
で、現在、仕事場デビューを目指して、
完璧なタイピングをマスター中だ。
つい先日には、いよいよ正式版も登場したので、
さっそくVis-a-Visでシェアウェア登録した。
(登録しないと、わずらわしいダイアログが毎回冒頭に出てくる)
SH-Keys+FatalKey(仮)
さて、そんなCom-JIM2とは別のアプローチで、
SH-Keysにスピード&実用性を付加するソフトが登場した。
それがEndoさんの「FatalKey(仮称)」だ。
神様が、独自のドライバによってJ-OS用辞書を呼びだす
(J-OS自体は必要としないのでWPJでも使用可能!)方式で、
SH-Keysを乗っ取ったのに対して、
Endoさんはもっとシンプルなアプローチを試みている。
SH-Keysの特性である
「ひとつのキーに1〜2個のアルファベットが割り付けられている」
という点をそのまま活かして、
それをShiftKey的な切替操作だけで処理してしまえば、
無駄なスピードのロスは消えるのではないか?という発想で、
「キートップに表示されているアルファベットを
そのまま入力することができ」るという
実にシンプルな解決法を見つけだしている。
しかも、「J-OS、manae、WPJ標準FEP等」の
どの入力システムでも利用できるので、
どんな機種においてもストレスなく日本語入力が可能になる。
機長は同ソフトのα版で、
manaeとの共存を試用してみたことがあるが、
確かにShift操作を使った上下キーの切替という
タッチタイピングさえマスターしてしまえば、
なんのストレスもなく使用することが出来ることを確認した。
たとえばCom-JIM2ではWPJで使用する場合、
J-OS用の辞書が必須だが、
FatalKey(仮称)ではその必要すらない。
WPJならWPJの辞書を使ってしまえばいい、という発想だ。
・・・とこれだけの説明ではFatalKey(仮称)のすべてを
語り尽くすことは出来ない。
同Palmware添付の丁寧な解説書を読むのが一番。
でも、一番いいのは、実際に使ってみることだ!
(ただし、FatalKey(仮称)は昨日登場したばかりのβ版だ。
その点は忘れないように!)
というわけで、SH-Keysには
「純正ドライバ」(by
しなの富士通)
「Com-JIM2」(by
神様)
「FatalKey」(by
Endoさん)
という3つのドライバが存在する。
これからますます注目のキーボードになるはずだ。
もちろん最大の焦点は、
Palm
VやWPJc3に対応したバージョンが
果たして(いつ)登場するのか?という一点だ。
機長はまもなくWPJc3を購入する予定だが、
SH-Keysの同機種対応版が出るまでは
WPJc3はWPJの代替マシンまたは
試用マシンのままになるかもしれない。
それほどに機長は
SH-Keysの簡便性&小型サイズが気に入っている。
GoType!+純正ドライバ
GoType!+純正ドライバ日本語版
もちろん、Palm/WPJのためのキーボードといえば、
忘れてならないものがもうひとつある。
GoType!だ。
ドライバは純正英語版とVis-a-Vis製の日本語版があり、
前者でも使用は可能だが、
快適な日本語入力を目指すなら日本語版ドライバの購入をお勧めする。
日本語入力に特化した機能が付加されているからだ。
(あくまでまだPalm
III対応)
え、GoType!って何?・・・って人はまずここを読んでから。
SH-Keysとの最大の差は、
おそらくあなたがこれまでに学んできたタッチタイピングや、
それに準ずる自分なりのキータイピングが
そのまま使えること。
SH-Keysでは、ドライバによって、
純正ドライバやFatalKeyなら
SH-Keysのキーボード配置をマスターする必要が、
Com-JIM2なら50音配置をマスターする必要があるが、
GoType!の場合、その必要はほとんどない。
ほぼ、通常の両手キーボードと同じ操作での入力が可能だ。
だから機長も、自宅で多量の入力が必要なケース
(通常はデスクトップで入力してからデータを
Palm/WPJに映すのであんまり必要ないが)では、
このGoType!を使うことになる。
ただし、両手キーボードだけに、
サイズはSH-Keysのような超小型という訳にはいかない。
Palm
III(またはWPJ)との比較でサイズで
Palm/WPJの3倍強、厚みも最大で2倍弱ある。
そんな、超小型のサブノート並のキーボードを
運ぶだけの余裕があるなら、
GoType!が今のところ、
もっとも快適&最適なキーボードと言えるだろう。
ただし、機長の場合、
Palm/WPJ本体より大きなキーボードを
持ち運ぶほどの余裕はない。
そうなると、ほぼPalm/WPJ本体の60%程度のスペースしか
とらないSH-Keysが最適なキーボードと言える。
NewtonKeyboard+PiloKey
さらに、Palm/WPJ用のキーボードといえば、
NewtonKeyboardがある。
Appleユーザにはおなじみ、
幻のPDAマシンとなってしまった
Apple社のNewton用に開発されたキーボードだ。
こいつはGoType!ほどPalm/WPJへの適応性はない
(たとえばプラグ接続するしかないので、
GoType!のように差し込めば使える訳ではない)が、
とにかくキーボードとしての出来は非常にいい。
さすがApple社製というキータッチを味わえる。
中には、そのキータッチを捨てきれずに
自作の固定台を作ってPalm/WPJを固定しながら
このNewtonKeyboardを使い続けているユーザもいるほどだ。
ドライバには神様の「PiloKey」を使う。
実はこれ、Palm/WPJでキーボードを使うための
世界初のドライバだったので、
世界中で注目されたソフトだが、
その後、Palm/WPJに特化したキーボードである
GoType!やSH-Keysの登場で、さすがに最近は影が薄い。
また、Newton自体の製造中止によって
NewtonKeyboardの入手も最近では困難だと聞く。
機長も最近は使っていないが、神様のホームページによると、
全機種で使用可能だが「WPJには不完全対応」とある。
同ドライバはIKESHOPから入手可能だそうだ。
The
Future
of
Keyboards
これらの他にPalm/WPJ用キーボードとして
名前が挙がっているものに以下のようなものがある。
「99年6月デビュー」と伝えられる
iBiz
Technology社の
「iKey
Mite
Keyboard
for
the
Palm
PC」なんかもある。
最初からPalm
Vを含むPalm/WPJ全機種対応だし、
デザインもカッコ良さそうだが、
意外とサイズはデカイ。
あと、接続方法や日本語への対応、
値段などは不明なままだ。
Royal社のdaVinciの「daVinci
Keyboard」は
独創的でとってもコンパクトな作り
(折畳み式の両手キーボード)なため、
これをPalm/WPJで使えないか?という議論は
内外で散発的に起こっている。
だが、
実際には、同キーボード、その廉価さに比例して
あまりにもちゃちなハード構造のため
ドライバや専用プラグを作っても
まともな機能は果たせないので?という声も
機長は耳にしたことがある。
真相はどうなんだろう?
確かに機長もこれに一度触れたことがあるが、
両手キーボードなのに、
羽根を広げた蛾を思わせるデザインと、
折り畳み式になっている構造には感動した。
持ち運びには便利そうなんだが・・・。
なお、別の動きとして、
以前からPalmPilot-MLなどで
PFU社の「Happy
Hacking
Keyboard」も
Palm/WPJ用として使えないものかという議論が
長らく続いている。
この研究に関しては依然実験中であり、
その詳細については
「Happy
Hacking
Keyboard
for
Palm
Pilot」
というページに詳しいが、
同ページは公開に関していくつかの条件があるので、
ここでは敢えてリンクはしない。
もし同ページに辿りつけた場合も
「まずはじめに、このページの情報に関する
注意をお読みください!」の部分は
必ずまず最初に読むように!!
今後は他にも登場するかもしれないが、
Palm/WPJのためのキーボードというと、
現時点では「GoType!」か「SH-Keys」の2つが、
常識的に考えられる選択肢だ。
そして、
とにかく注目はこの2つのキーボードの
Palm
Vへの対応がどうなるか?・・・に尽きる!
GoType!の製造元であるLandware社のホームページには
「A
new
Palm
V
keyboard
will
be
available
end
of
Q2
'99」
なんて文字が並んでいる。
SH-Keysのしなの富士通の対応は不明だが、
機長としてはなんとか出してもらいたいと思っているが、
どうだろうか、しなの富士通さん?
せっかく、純正ドライバの
バージョンアップまでのリリーフとなる
サードパーティ製ドライバが出てくれたのだから、
純正ドライバの熟成には十分に時間をかけられる状況だ。
そしてまもなく発売されるWorkPadc3日本語版の
ブレイクはほぼ間違いないという現状において、
このままPalm
III版だけでいいのか?
「残念な斬新」で終わるか、
「新しいモバイルキーボードの標準」になれるのか?
の境目はこのあたりにあると機長は思うのだが
どうだろう?
じゃ。
1999年5月18日
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