その他の詩人たち




written by T・A・M・A・Y・O


窓



曇りガラスに指先で「さよなら」って書いたの
曇りガラスの向こうは夜
曇った夜空に星も泣いてる



もう会わない、そう決めたはずなのに
あのヒトからの電話に
「もしもし」って嬉しそうに答えてる
私ってどうしたらいいの?



デートしようって誘ってくる
あのヒトからの電話
「行く行く」って嬉しくてたまらない
私ってどうしたらいいの?



もう二度と会わないって
そう心に決めたはずなのに
何を着ていこうかって鏡の前で嬉しそうにスキップしてる
私ってどうしたらいいの?



私ってどうしたらいいの?
おたより下さい
待ってます



T・A・M・A・Y・Oさん
♀・団体勤務(神奈川県)

実話をもとに生まれて初めて書いたポエムだそうです。

comment
「この詩に出てくる男性の方とは今でもお付合いを続けさせていただいています。今回の件で久しぶりに自分の作品を読んでみたら、あまりの能天気さに自分でも笑ってしまいました」


選者のコメント

「あなたの声が聞こえない」の『夢中ガール』に比べたら、こっちの方が楽しそうだ。(なんか、どんどん碧さんを追い込んで名乗り出にくくしているような・・・)

このポエムは全体的にマヌケ系なんだけど、

「もう二度と会わないってそう心に決めたはずなのに何を着ていこうかって鏡の前で嬉しそうにスキップしてる私ってどうしたらいいの?」

ってところを読んじゃうと、さすがに可愛いと思ってしまう。同時に苦笑もしちゃうけど。

そしてこのポエムが画期的なのは最後のところで
「おたより下さい待ってます」と、ハガキ募集までしちゃってるところ。宛先が書いてないから「おたより」は出来ないのだが、たぶんポエム史上初ではある。