Pilot Air Line
PAL001便
PowerBook2400で
HotSyncに苦しんだ夏!


97年夏

OS 8になってどうやら解放されたらしい(未確認)が、
この夏のMacOS 7.6.1時代まで
PowerBook2400でのHotSyncには苦しみ抜きました。

なんでも、PowerBook2400のシリアルポートは、
内部構造にこれまでのものと明らかに違う変更があったらしく、
そのせいでポート内の電圧がナンタラかんたらで、
その結果、同マシンを母艦にしてのHotSyncは至難の業でした。


※母艦・・・Cradleを挟んで、
Palm Pilotの情報をバックアップ(&シンクロ)するマシンのこと。
この「母艦」にDesktop Softwareをインストールします。


いきなりHotSyncが出来ない!

今年の7月頃だった。買ってきたばかりのPalm Pilot Proで
ウヒョヒョ!状態だった私をピンチが襲った。
HotSyncが出来ないのだ。

正確に言えば、ごくたまにしかHotSyncが成功しない。
とにかく接続不能の連続。
しかも、およそ20回に1回くらいの割合では
ちゃんと成功しちゃうもんだから、原因が特定できない。
接続上の設定が悪いのか、製品自体に問題があるのかさえ、
よくわからない。
HotSyncをしようとすると、
ただひたすら「ちゃんと接続出来てません」みたいな
英語のダイアログがPalm Pilot本体の画面に表示されるだけ。
このままでは「Macとの接続が簡単」というだけの理由で、
それまで使ってたザウルス(PI-8000)を捨ててまでして、
このマシンを買ったことが無意味になる!


Cradleの不良

そうこうしてるうちに、Cradleの中には不良製品も多くて、
接続部分の金属端子が、
ちゃんとPalm Pilotに接続してないケースがあるらしい
ということを耳にしました。

なるほど!

と思って、Cradleの金属端子部分をチェックしてみましたが、
はっきり言ってよくわかりません。
次に、Palm Pilot本体の金属端子部分をチェックしてみました。

その結果わかったこと
・・・10個並んでる端子はどれもCradleの端子との接触のせいで、
明らかに細かい傷がついているのに、
端っこの1個だけ全然傷がついていないでピカピカと銅色に光っている!
これだ!この端子に本来接触すべきCradleの端子がちゃんと接触していないんだ!

というわけで、Palm Pilot本体で無傷だった金属端子と、
本来接触すべきCradleの金属端子を改めてチェックしてみました。
ほんの少しではありますが、他の端子よりも沈んでいる!
・・・ように見えました。
インターネットなどで掴んだ情報によれば、
このちゃんと立ってない金属端子をしっかりと
他の端子と同じくらいの高さまで持ち上げれば、
HotSyncはウソのように簡単に出来るはずだ!


Cradleの悲劇

そこで、さっそく挑戦してみました。
でも、手近に工具とかないもんだから、
手近にあったハサミの先っぽを使って、
この「Cradleの凹んだ金属端子を持ち上げる」作業にとりかかりました。
最初からちゃんと細い工具を使えば良かったんでしょうが、
ハサミなんかでこの作業をしたのがマズかった。
なかなかうまく金属端子が立ち上がらないのに
業を煮やした私はグイッと思いっきり力を入れてしまったようです。
おかげで、金属端子は起きあがりました。
が、本来は他の9個の端子のように
軽く立ち上がってくれりゃいいものを、
まるで人間が布団から完全に起きあがって
会社に出勤しちゃうくらいの姿勢まで起きちゃいました。
つまり、私は金属端子をぶっ壊してしまいました。

たぶんダメだろうな、と思いつつもHotSyncに挑戦してみましたが、
全然ダメ。やっぱり接続不良のダイアログが出るだけ。
ダメだこりゃ。でも、実はこの時点でも本当にCradleがイカレてるのか、
接続の設定に問題があるのかさえわからない。
真っ暗闇の中で真っ黒な暴漢に襲われたくらいに、
途方にくれてしまいました。

そこで、とにかく問題は一個づつ片づけようと、
新しいCradleを手に入れました。
これで繋がれば問題はハード(最初にPalm Pilotに付属してたCradle)の
せいだったことになる。

そして新しく手に入れたCradleで実験してみた結果、
いきなり成功の確率がグググンと上昇しました。
どうやら最大の問題はハードにあったようです。

ところがまだHotSyncの成功確率は100%じゃない。
成功する時としない時がある。
新しく買ったCradleの金属端子を確認したら
「とくに問題はなさそう」。
ということは、接続設定にも問題があるらしい。
今度はこの問題を解決しないと!


2400のシリアルポートの問題

そんな頃、入ってきた情報は以下のようなものでした。

なんでもPowerBook2400のシリアルの内部構造に変更があったらしく、
電圧だかなんだかの問題で、同機でのHotSyncはトラブルが多い。

・・・てことは、問題はCradleだけでなくPowerBook 2400にもあったんだ。
しかも、この病は不治の病(当時)らしく、
2400特有のシリアル回線の癖のために同じような
トラブルに見舞われたデジカメのある機種は、
新しいアップデータを用意したという。

が、残念なことにPalm Pilotは
まだ日本でセールスを始めたばかりのアメリカ製。
ところが、2400は逆に
アメリカで細々と売り始めたかどうかって状態の日本製。
こりゃあ当分、誰もフォローしてくれそうにない。

となると、自分で解決しなければならない。
インターネットやNIFTYの情報をとにかく調べまくった結果、
マシンの環境差による個人差こそあるが、
設定次第ではなんとかHotSyncを安定して行うことが出来るらしい。

で、いろいろ試行錯誤を繰り返しているうちに、
AppleTalkの「on/off」、接続コードの「接続/非接続」、
HotSyncコントロールパネル内にあるRun HotSync at system startupの
チェックの「on/off」、同コントロールパネル内の
HotSync Statusの「start/stop」など
いくつもの選択肢の組み合わせが正しく整わないと、
とにかくHotSyncが出来ないらしいことに気づいた。

そして、どうにかこうにか、AppleTalkを使用停止にした状態なら、
なんとかHotSyncが連続して出来るらしいことがわかってきた。

ところが!


HotSyncとAppleTalkの切り替え

ところが、私はこのPowerBook2400と
デスクトップの8100の間でAppleTalk接続をする必要性があったため、
問題はより複雑なものになりました。

例の、AppleTalk、接続コードの着脱、
HotSyncコントロールパネル内にある
Run HotSync at system startupのチェック、
同コントロールパネル内のHotSync Statusのなどを、
ああでもないこうでもないと、順列組み合わせの地獄の中をさまよいました。

そして結局、試行錯誤の末に、
以下の順序を踏めばHotSyncとAppleTalkの切り替えが正しく出来る
と言うことを発見しました。
(あくまで私のマシン環境において、ですが)

【AppleTalkがonの状態→HotSync可能な状態】


(1)
HotSyncコントロールパネルの
「Run HotSync at system startup」に チェックを入れる

(2)
AppleTalkを「off」にする

(3)
マシンを再起動後

(4)
Cradleからのコード(Mac用)を
シリアルポートに接続する

(5)
HotSync!

【HotSync可能な状態 →AppleTalkがonの状態】


(1)
HotSyncコントロールパネルの
「Run HotSync at system startup」にチェックを外す

(2)
Cradleからのコード(Mac用)を
シリアルポートから抜く

(3)
マシンを再起動する

(4)
AppleTalkを「on」にする



・・・とにかく面倒くさい行程の連続!

そこで、「AppleScript」に「PreFab Player*」を組み合わせて、
上記二つのステップを自動化するスクリプトを書いて対応しました。
これでいちおう、細かい操作なしに、
AppleTalkとHotSyncの切り替えに成功したわけです。

このスタイルで数カ月は我慢しました。

HotSyncとAppleTalkの夢の共存

でも、人間とは欲の突っ張ったもので、
いくら全自動でも、いちいち再起動を繰り返す作業が
我慢ならなくなりました。

そんなある日、NIFTYだったかの書き込みで、
PowerBook2400にシリアル増設用のカードを差し込むと、
私の目指す「HotSyncとAppleTalk」の共存が
出来るらしいことがわかりました。
つまり、これを使えば2400のシリアルポートを
いっさい経由しない接続が出来るから、問題が起きないそうです。

その書き込みでは、秋葉原でたまたま見つけた
「とある外国製シリアルポート増設カード」の
商品名と製造会社名が書かれていました。
DOSだかWindows用の製品でMacには非対応と書かれているが、
実際には使用できる、そうです。
で、一生懸命に探してみましたが、
Mac以外の世界を知らない私は結局そのカードを
発見することが出来ませんでした。
しかも、探した場所もわるかったんでしょうが、
新宿の電気屋関係では、
「シリアルポート増設カード?知らない。何、それ?」とか
「なんに使うの?Mac?ダメだよ、そんなの」という答えばかり。

でも、地獄にも天使はいるもので、
十件目に入ったDOSショップでようやく発見することが出来ました。
コンピュータ・テクニカという会社の
「超高速シリアルI/O PCカード(SRC-230)」という商品でした。
「DOS/V機用」とか「Windows95専用」とか書いてありますが、
どこにも「マック」のマの字もありません。
お店の人も「マックで使う?無理じゃない?」との返事でした。

シリアルポート増設カード

が、これがビンゴでした。

しかも、カードからシリアルへの接続がDOS/Vとかの仕様なので、
Cradleからの接続コードはMacPacのMac用のコードを使わないくてもいい!
で、使ってみたら、いとも簡単に成功しました。
しかも、いっさい接続をいじらないままAppleTalk経由で
デスクトップマシンとのファイル共有をした直後に、
HotSyncも出来てしまう。
しかも、連続HotSyncも再起動なしに出来る!
こうしてようやく、HotSyncとAppleTalk、夢の共演が果たされたのです。

でも、いろいろ事情があって、そのまた数カ月後には、
Palm Pilotの母艦をPowerBook2400から
デスクトップのPowerMac8100/80AVに変更する必要が起きてしまいました。

こうして、さんざっぱら苦労した末に成功した
PowerBook2400を母艦としたHotSync作業は必要がなくなってしまいました。

さらに、最初にも書きましたが、
今ではMacOS 8が登場して、
これによりPowerBook2400のシリアルポートはソフト的に改善されて、
今ではなんの問題もなくHotSyncが出来ているらしいです。
(すでに母艦をデスクトップマシンに移した後だったので、
あえてその確認はしてませんが)





97年11月8日

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